三つの風神雷神図 出光美術館にて
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- 2006/09/21(Thu) -
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今、出光美術館で
「風神雷神図屏風-宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造-」が開催されている。 仕事帰りに行ってきた。 66年ぶりに三つの風神雷神図が一堂に展示されているこの機会を見逃してはもったいない! おもしろいです!是非おすすめです! どこを模倣してどこを創造して描いたのか。 同じように見えて実は、細部に独自性を出している。。。 美術館では、三つの屏風をパーツに分けて徹底解剖している・・・これが実に面白い。 顔の違い、そして目、角、髪、腹、手、足、雲、連鼓、天衣。 それぞれの違いが見えてくる・・・それぞれの独自性が見えてくる。 俵屋宗達の作とされる「風神雷神図屏風」・・・金屏風の中で、黒雲に乗り風を巻き起こし、また雷を落とし、圧倒される音と迫力で迫ってくるように感じた。 同じように見えていた「風神雷神図屏風」が光琳、抱一と模倣される中で彩色の微妙な違いや顔の表情から、平面的でおとなしい神に変化してきたように感じ、見方が変わっていった。 抱一の描いたものはむしろユーモアさえ感じられ、微笑んでしまった。 夏に国立博物館で見た「若冲と江戸絵画展」プライスコレクション。 抱一の<十二か月花鳥図>や<四季草花図>の美しく繊細な筆致はいまだに鮮明に焼きついている。 それらと比較してみると「風神雷神図屏風」の模写に抱一らしさが感じられなかった。が、しかしこれを抱一が新境地を見出そうとしていたのだろうかと思えば自分なりに納得できる。 研究者の歴史的背景を考え合わせた結果を読んでみると・・・(抱一は宗達の風神雷神を見ていないのではないか、そして光琳の風神雷神においても詳細に写し取ることはできず、目の前の光琳の絵をせいぜい縮小模写するのが精一杯だったのではないか)・・・ それもなるほどと思ったりもする。 スポンサーサイト
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